shinkishunou’s diary

新規就農で感じたことを…

新規就農1年目④

ようやく植えた作物の収穫が始まった。
ここでようやく農業の喜び、楽しみを実感できる感じがした。
天候には振り回されたが、いろいろと対策を取った結果、思ったよりも良い結果になりそうだという感触もあり、ここまでの苦労も少しずつ和らいできていた。
私はJA出荷がメインである。
主作物はどれくらいの売上、収入になるかは把握していたのでこんなものと思っていたが、副作物は全くどんな販売結果になるかわからなかったが、これには驚いた…
50aほど作っている作物なのだが、自分なりにはまあまあ作れたと思っていたのに売上が3万、対してJAの施設利用料が1.5万、資材等代が1.5万、その他燃料代は細かく把握していないが
利益無し、そんな商売があるのかと愕然とした。
あまりにも農産物安すぎないか?
人間の基本である食を司る農業がないがしろにされていないか?
沸々と疑問が湧いてきた…

新規就農1年目③

とにかく雨不足。
普段ならやらないエンジンポンプを使って、ホースを伸ばして水を撒いた。
このころ体重は6kg減った。
ビニールハウスの温度管理で朝5時~夜7時まで畑にいることもあった。
もちろん4月中旬から8月中旬まで休み無し。
月300時間以上働いてるかもしれない…
私の栽培作物は収穫は7月下旬~、それまで全く収入もなく、収入を得られるという実感もない…
疲れもピークを迎えている…
家に帰って、飲んで食べてすぐ寝てという生活が続いた。

新規就農1年目②

今年の北海道は統計史上初と言われるくらい高温、雨不足が続いた。
ビニールハウスの中なんて低温サウナのような高温になった。毎日クソ暑い中1人で遮光ネットの掛け降ろしをした。
さらに露地野菜は強風で苗が根元から折れ、飛ばされたうえ、水不足で萎れ全然伸びない。
このころ、計画の7割くらい出来れば御の字という考えが頭の中をめぐった。
当初の資金計画でかなり控えめな計画にしたがさらにそれを下回る可能性もある。
正直テンションが下がった…

新規就農1年目①

新規就農1年目が始まった。
自分の農地となり、農業経営者となり、自分の好きなようにやれば良い。何か清々しく感じた。
バカな上司の意見を聞かなくても良い、おかしいと思うこともやらなくて良い。もっと早く挑戦すれば良かったとこの時感じていた。
ただ、このあと自然の猛威を知ることに…

就農準備⑤

就農計画と資金計画を提出し、農地取得資金と運転資金を私は目一杯借りた。
私は農業にかかる経費は農業の収入でまかなえないのであればやる意味がないと思ってる。
自己資金は当然準備していたが、結果1年目が終わって1円も投入していない。
計画内容に自信があるなら、無利子で長期間借りれるほどありがたい資金はないと思う。
おまけに私の借入れ計画を提出した際、国からもっと返済期間を伸ばした方が良いとのお言葉もいただいた。←普通の銀行ならこんなこと絶対言わないね…
(ただ、私は新規就農計画が終わる5年目に借入金の半分を繰上返済するつもりで、徐々に無借金経営を目指すつもり)
ということで、就農計画も資金計画も順調に進み就農1年目を迎えることとなった。

就農準備④

引継ぐ農家さんとの価格交渉が終われば就農計画と資金を借り入れるための計画作り。
たぶん普通に会社を立ち上げそのための資金を銀行から借りるよりも、農業経営を始めるために国やJAから借り入れするのは雲泥の差があるくらい甘い。
しっかり自分で考え、実行可能な計画を立てられるなら目一杯借りてもいいと思うが、それ以外の方については慎重にした方が良い。
なぜなら、私はサラリーマン時代に中小企業診断士の資格取得を目指したりしていた。
そして自分なりに立てた計画がどんどんJA主導で標準反収やらの指標に置き換えられ(私の作った資料とは全く)違うものが出来上がった。
これは窓口となるJAの支店が国(日本政策金融公庫)や上部団体の信連に説明しやすいようにするためである。
自分が就農する予定の地域や農地の特性を考えると標準反収なんてあってないようなもの。
そんな架空の計画でお金を借りて順調に返せるわけがない(JA主導で借入額を減額されればそうでもないが…)
農業の専門家が作るならなんとかなるやという中途半端な思い込みは致命傷になる。新規就農者の多くが補助金の切れる5年以内に消えていく。
とにかく計画は自分でしっかりと考えること←そうしなければ農業経営はバクチみたいなもので、継続できるかどうかは運次第みたいになってしまう。
農業を始めるということは、農業を主業とする会社を立ち上げこと、貴方は会社の社長になる。生産から販売、経理から管理まですべてしなければならないのだ。(お金がたくさんあるなら税理士など専門家を雇えばよい…がこんな人いないよね笑)

就農準備③

紆余曲折がありながらも何とか高齢農家さんとも揉めることもなく農作業が終わり、譲渡価格交渉となった。
新規就農研修で、第三者承継譲渡では必ずといってもいいほど価格で揉めると聞いていたのでどうなるかと交渉を始めたが、高齢農家さんのご子息が思いのほか協力的で、価格は想定よりもかなり低い額で決着することとなった。
サラリーマンの営業マン時代に養った処世術が実を結び、いろいろと心の内では言いたいこともたくさんあったが、我慢して円滑な人間関係を築いたことが良かったと思っている。